場所をつくって、終わらない。バ・アンド・コーが「その後」まで引き受ける理由
みなさんこんにちは、ラブカン編集長の陣脇です。ラブカンは、日本全国のLOVED COMPANYを紹介するメディアです。
会社の思想や文化、働く人の想い、事業に込められた背景を通して、条件だけでは見つからない「愛される会社」を紹介していきます。
今回取り上げるのは、場の企画・設計・運営を手がけるバ・アンド・コー株式会社です。
ラブカン編集部が感じたLOVEDポイント
- まだ答えのない段階から、場づくりを引き受けている
- 完成した瞬間ではなく、人が使い始めてからを本番にしている
- 空間を作品にせず、使う人へ主役を返している
つくるだけではなく、ともによりそう
バ・アンド・コーが掲げている言葉は、「つくるだけではなく、ともによりそう」。
最初にこの言葉を見たとき、場づくりの会社としては、少し不思議な表現に感じました。
一般的に「つくる」という言葉から想像するのは、建物や内装が完成した瞬間です。空間が整い、人が使える状態になれば、プロジェクトは一つの区切りを迎えます。けれど、バ・アンド・コーが見ているのは、その先。
そこで誰が出会うのか。どのような活動が生まれるのか。最初に描いた理想と、実際に使われ始めた場所との間に、どんなズレが生まれるのか。
同社は、未来の理想を描くだけではなく、リアリティを持って場づくりに向き合うことを掲げています。空間を完成品として納めるのではなく、使われながら育つものとして見ている印象を受けました。
場の価値は、きれいな内装や便利な設備だけで決まるわけではありません。そこへ足を運びたくなる理由や、人と人が関わるきっかけ、挑戦する人を受け入れる空気まで含めて、ようやく一つの場所になる。
バ・アンド・コーにとって、完成は終わりではなく、人との関係が始まる地点なのだと思います。
「何をつくるか」が決まる前から、場づくりは始まっている
「空いている場所を使って、何か新しいことができないか」
「メンバーがもっと集まりたくなるオフィスにしたい」
場づくりの相談は、必ずしも明確な要件から始まるわけではありません。バ・アンド・コーは、具体的な施設や空間を決める前の、まだ曖昧な想いから対話を始めています。
すぐに図面を描くのではなく、なぜその場所を変えたいのか。そこで誰に、どんな時間を過ごしてほしいのか。言葉になりきっていない衝動をほどきながら、場が担う役割を見つけていく。
空間は、最初から答えとして存在しているわけではありません。
相手の中にある「こうなったらいい」を一緒に確かめ、必要な形を探していく。何を作るかが決まる前にも隣にいるところに、バ・アンド・コーの意志を感じます。
図面の外側にあるものまで、設計する
バ・アンド・コーの特徴は、場の企画、設計、運営を一気通貫で手がけていることです。
事業の構想やリサーチ、コンセプトづくりから、空間デザイン、運営体制の構築、コミュニティ形成、イベント企画、施設管理までを扱っています。
「空間を設計する」と「場を運営する」が、つながってる。企画だけ、設計だけ、運営だけでは見えないものがある。
だからこそ、最初に理想を描いた人たちが、実際に人が集まり、場所が動き始めた後にも関わり続ける。その一貫性に、場を本当に機能させようとする責任を感じました。
自分たちの案を形にすることが目的ではなく、その案が現実の中で生きているかを見届ける。理想と現実の間に残り続けることも、バ・アンド・コーにとっての場づくりなのだと思います。
人が集まるだけでは、コミュニティにならない
同じ場所で働いていても、隣にいる人の名前や仕事を知らない。何かに挑戦したくても、誰に相談すればいいのか分からない。人が集まる場所と、人の関係が育つ場所は、似ているようで違います。
バ・アンド・コーが運営するシェアードワークプレイス「co-ba」は、仕事をするための机を提供するだけでなく、利用者同士が出会い、互いの活動を知り、新しい挑戦へ踏み出せるコミュニティを育ててきました。その間に立つのが、コミュニティマネジャーや運営メンバーです。
そこにいる人の仕事や関心を知り、相性のよさそうな人同士をつなぐ。まだ形になっていないアイデアに耳を傾け、イベントや企画として表に出すきっかけをつくる。
同じ空間を共有するだけでは生まれなかった関係が、誰かの働きかけによって少しずつ動き始める。目指しているのは、日本全国の「チャレンジ回数の総和」を増やすことです。
場所を用意して、人が来るのを待つだけではなく、その人の中にある小さな動きが外へ出ていくまで関わる。空間の広さや利用者数ではなく、そこで何回の挑戦が生まれたかを見ようとする姿勢に、バ・アンド・コーらしさが表れているなあと。
「場と共にある」という社名
場所をつくる会社ではなく、場と共にある会社。
「バ・アンド・コー」という社名には、場づくりの実践を通じて、これからも場と共にあり続けたいという思いが込められています。
企画を考えるときも、空間を設計するときも、完成後に運営するときも、常に場の内側に立つ。
その場所を外から評価するのではなく、そこに集まる人たちと同じ時間を過ごしながら、変化を受け止めていく会社でありたいという意思が、社名そのものに表れています。
場には、完成がありません。
集まる人が変われば、必要な役割も変わります。新しい活動が始まれば、それまで使われていなかった空間に意味が生まれることもあります。
だからこそ、最初から完璧な答えをつくるより、変化に合わせて更新できる関係を残す。
バ・アンド・コーが届けているのは、理想的な空間の形だけではありません。人が出会い、挑戦し、ときには立ち止まりながら、自分たちなりの場所へ育てていける状態です。
「つくるだけではなく、ともによりそう」という言葉は、完成後も関わり続けるサービスの説明ではなく、場に対する会社の向き合い方そのものなのだと思います。
読み終えて、もう一度。
ここまで読んで、最初に感じた3つのLOVEDをもう一度。
- まだ答えのない段階から、場づくりを引き受けている
- 完成した瞬間ではなく、人が使い始めてからを本番にしている
- 空間を作品にせず、使う人へ主役を返している
ラブカンでは、日本全国にある「愛される会社」やLOVEDな取り組みを紹介していきます。たくさんのLOVED COMPANYとの出会いが、あなたの価値観を少し広げ、自分のものさしで生きるきっかけのひとつになれば嬉しいです。
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