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IKEUCHI ORGANIC

「赤ちゃんが食べられるタオル」を、2073年まで本気で追い続ける会社

IKEUCHI ORGANIC
文・陣脇康平(じん)

みなさんこんにちは、ラブカン編集長の陣脇です。ラブカンは、日本全国のLoved Companyを紹介するメディアです。

会社の思想や文化、働く人の想い、事業に込められた背景を通して、条件だけでは見つからない「愛される会社」を紹介していきます。

今回取り上げるのは、愛媛県今治市に本社を構えるIKEUCHI ORGANIC株式会社です。(画像提供:IKEUCHI ORGANIC)

この会社のことを、誰かに。

ラブカン編集部が感じたLOVEDポイント

  1. 創業120周年を迎える2073年まで、半世紀先の安全を追い続けようとしている
  2. 環境にやさしいと語るだけでなく、つくる過程と自分たちの負荷を公開している
  3. 完成した正解を掲げるのではなく、お客さまと対話しながらブランドを育てている

50年先の目標を、今から掲げている

「赤ちゃんが食べられるタオルをつくる」

最初にこの言葉を見たとき、目を引くための大胆なコピーなのかと思いました。

でも実際には、これは今の商品を表す言葉ではなく、未来に向けて掲げた長期的な目標です。創業120周年を迎える2073年までに、「赤ちゃんが食べても安全なタオル」をつくることを目指しています。

現在の製品も、繊維製品の安全性を検査するエコテックス®スタンダード100の中で、乳幼児向け製品に適用されるクラス1をクリアしています。これは「赤ちゃんが口に含んでも安全」であることを示す基準です。

つまり、「食べられる」という表現は現在の性能を示すものではなく、これから追い続ける目標です。すでに高い基準を満たしていても、それで完成したとは考えず、さらに先を目指し続ける。

一枚のタオルを売ることだけではなく、次の世代が安全にものをつくれる会社を残そうとしている。その時間軸の長さに驚かされました。

「環境にやさしい」と言う前に、自分たちの負荷を見る

環境に配慮した商品をつくる会社は、今では珍しくありません。

一方で、IKEUCHI ORGANICは「企業が生産活動を行うこと自体が環境負荷になる」と明言しています。環境にやさしい会社だと自らを切り離すのではなく、ものをつくる以上、自分たちも自然へ負荷をかけているという地点から始めています。

自社で使用する電力は、100%風力発電でまかない、染色工場から出る排水を浄化するなど、「最小限の環境負荷」を具体的な製造工程へ落とし込んでいます。そのタオルが「風で織るタオル」と呼ばれることもあります。

感銘を受けたのは、取り組みの数だけではありません。自分たちは環境を守る側である、と簡単に言い切らないことです。生産すれば、電力も水も資源も使う。その矛盾をなかったことにせず、負荷を認めたうえで、どこまで減らせるかを考え続ける。

「最大限の安全」と「最小限の環境負荷」という理念にも、絶対に安全、環境負荷ゼロとは書かれていません。到達したことを宣言する言葉ではなく、よりよい状態を追い続ける方向が示されています。

完成を装わず、自分たちの未完成さを受け入れる。その姿勢が、IKEUCHI ORGANICのものづくりを信頼したくなる理由なのだと思います。

一枚のタオルが生まれるまでを、隠さない

タオルやモノを手に取ったとき、それががどこで育ち、誰の手を通り、どのように作られたのかまで考える機会は多くありません。

IKEUCHI ORGANICの商品にはQRコードが付けられています。読み取ると、コットンの産地から紡績、製織、染色、検査、出荷に至るまで、一枚のタオルが生まれる工程を確認できます。安全性や環境への配慮を、本当に確かめることができる状態にしているのです。

とことんやる。どこまでも本気であることが伝わってきます。

IKEUCHI ORGANICは「我々がつくっているのは、物語である」と掲げています。ただし、ここでいう物語は、事実を飾るためのストーリーではない。誠意をもって語れるものづくりをすることが、同社の信条だと感じます。

語りたい物語を先につくるのではなく、すべての工程を語れる仕事を積み重ねる。ものづくりへの覚悟を感じます。

お客さまの声で、ブランドを追求し続ける

IKEUCHI ORGANICの代表である池内さんは、「お客様と一緒にブランドを創ってきた」と語っています。

同社が初めてのオーガニックカラーソリッド 1(現:オーガニック120)を発売し、「最大限の安全と最小限の環境負荷」を掲げたのは1999年。その後、環境や安全への意識が高い顧客から届く指摘を受け止め、改善を重ねてきました。(画像提供:IKEUCHI ORGANIC)

印象的なのは、お客さまの声を、商品を売るための意見としてだけ扱っていないことです。自分たちを開き、問いや指摘を受け取りながら、安全やオーガニックの意味そのものを更新していく。

2073年という遠い目標も、会社だけで到達するものではないのだと思います。原料を育てる人、製造に関わる人、商品を使う人。異なる立場から寄せられる声を一つずつ織り込みながら、次の安全をつくっていく。

IKEUCHI ORGANICというブランドも、人との関係によって織り続けられているように感じました。

読み終えて、もう一度。

ここまで読んで、最初に感じた3つのLOVEDをもう一度。

  1. 創業120周年を迎える2073年まで、半世紀先の安全を追い続けようとしている
  2. 環境にやさしいと語るだけでなく、つくる過程と自分たちの負荷を公開している
  3. 完成した正解を掲げるのではなく、お客さまと対話しながらブランドを育てている

ラブカンでは、日本全国にある「愛される会社」やLovedな取り組みを紹介していきます。たくさんのLoved Companyとの出会いが、あなたの価値観を少し広げ、自分のものさしで生きるきっかけのひとつになれば嬉しいです。

「この会社、面白い」

「この働き方、もっと知られてほしい」

「うちの会社にも導入したい!」

そんな事例があれば、ぜひ教えてください。

参照サイト

この会社のことを、誰かに。