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株式会社KOBIRA

鍛冶屋から、エネルギー、IT、世界へ。株式会社KOBIRAが受け継ぐ「変わり続ける老舗」の精神

株式会社KOBIRAのロゴマーク
文・陣脇康平(じん)

みなさんこんにちは、ラブカン編集長の陣脇です。ラブカンは、日本全国のLoved Companyを紹介するメディアです。

会社の思想や文化、働く人の想い、事業に込められた背景を通して、条件だけでは見つからない「愛される会社」を紹介していきます。

今回取り上げるのは、鹿児島県に本社を構える地域商社、株式会社KOBIRAです。

この会社のことを、誰かに。

ラブカン編集部が感じたLOVEDポイント

  1. 100年続いた事業を守るのではなく、地域に必要な役割を守るために事業を変え続けている
  2. 老舗という歴史に安住せず、「第四創業期」として理念から組織の仕組みまでつくり直している
  3. 地域に根ざすことと世界へ挑戦することを分けず、地域と世界を行き来する事業を育てている

100年以上、変わり続けてきた

「創業100年を超える老舗企業」と聞くと、代々同じ商品や技術を守り続けてきた会社を想像するかもしれません。けれど、株式会社KOBIRAの歴史は少し違います。

書棚に囲まれたスペースで笑顔を見せるKOBIRAのメンバー2人

同社の始まりは、1912年に鹿児島県いちき串木野市で創業した鍛冶屋でした。その後、時代や地域の変化に合わせてLPガス、電気、IT、国際貿易、再生可能エネルギーへと事業領域を広げてきました。現在は「地域に根ざし、世界に挑戦する新しい老舗」を掲げ、エネルギー・IT・国際貿易を中心に事業を展開しています。

100年以上の間、同じ事業を守ってきたわけではなく、むしろ地域に必要とされる役割を果たし続けるために、自分たちの事業を何度も変えてきた会社です。

株式会社KOBIRAがひたむきに守ってきたのは、地域の暮らしに安心を届け、これからに希望を持てる仕事をつくることだったのです。

変わることは、歴史を否定することではない

株式会社KOBIRAは、2022年からの3年間を「第四創業期」と位置づけ、理念、志、流儀を新たに策定しました。

同社が掲げる理念は、「これからの百年も、地域から安心と希望の火を熾す。」というものです。「火を熾す」という言葉には、鍛冶屋として始まった会社の歴史が込められています。

地域の生活を支えるエネルギー、新しい産業を生み出すIT、鹿児島と海外をつなぐ貿易。時代に応じて形を変えながら、地域に安心と希望を生み出していく。過去を保存するのではなく、過去から受け継いだものを、次の時代に必要な形へ変換しています。

私はそこに、「伝統」と「変革」を分けない老舗企業の姿を感じました。変わることは、これまでを否定することではない。これまで大切にしてきたものを、これからも大切にするために変わる。

株式会社KOBIRAの第四創業期は、そんな選択だったのではないでしょうか。

組織が崩れかけたから、全部を変えることにした

変化を続けてきた株式会社KOBIRAですが、組織の変革は決して順調なものではありませんでした。コロナ禍では組織が崩壊寸前の状態に陥り、それまでのトップダウン型の文化や、経営と現場の距離を見直す必要に迫られていました。

KOBIRAのロゴが入った暖簾を掲げる、曲線を描く木造の社屋

そこで同社は、理念や行動指針をつくるだけでなく、人事制度、採用、会議、社内コミュニケーションなど、1年間で50を超える改革を実施しました。変革後の2年間では、全社員のおよそ4分の1にあたる19人を新たに採用したと紹介されています。

印象的なのは、少しずつ改善するのではなく、「全部変える」と決めたこと。100年以上続く企業では、長く続いてきた制度や関係性そのものが、変化を難しくすることがあります。

ただし、株式会社KOBIRAは「老舗だから変えられない」ではなく、「これからも続く老舗であるために変える」ことを選びました。

理念を、飾る言葉で終わらせない

企業が新しい理念やバリューを掲げても、働く人の日常がすぐに変わるとは限りません。株式会社KOBIRAでは、理念を実際の組織文化へ変えていくため、目標設定や面談、社内表彰、採用など、日々の仕組みと結びつけています。

半年ごとの目標設定や評価面談では、成果だけでなく、一人ひとりの「Will=やりたいこと」と「Can=できること」にも耳を傾けています。また、チームによっては、こまめな1on1も実施。

会社が答えをすべて決め、社員が従う組織から、それぞれが判断できる組織へ。理念を額縁の中に飾るのではなく、働く人が迷ったときに立ち返れる判断基準に変えようとしています。

地域に根ざすことは、地域の中に閉じることではない

株式会社KOBIRAは鹿児島に根ざし、IT事業ではソフトウェア開発やDX推進を通じて、地域や企業の課題解決に取り組んでいます。また、国際貿易事業では、北中米・アジア・東南アジア・中東・EUなどに広がるネットワークを生かし、グローバルに事業を展開しています。

株式会社KOBIRAが目指しているのは、地域と世界のどちらかを選ぶことではありません。地域で培ったものを世界へ届け、世界とのつながりから得た知識や機会を地域へ持ち帰る。

同社が掲げる「地域に根ざし、世界に挑戦する」という言葉は、地域を離れて世界へ向かうという意味ではなく、地域に根を張っているからこそ、遠くへ枝を伸ばせるということなのだと思います。

地域と世界を対立させず、行き来できる関係をつくる。そこに、これからの地域商社の可能性を感じました。

会社の歴史を社員だけのものにしない「物語経営」

2026年、株式会社KOBIRAでは、社内の広報・人事による「KOBIRA編集部」が立ち上がりました。

創業から続く歴史や、組織変革の過程、働く人の物語を、会社自身の言葉で社内外へ伝えるための「物語経営」という新しい取り組みです。

「創業115年 新しい老舗のいま KOBIRAの教科書」と書かれた記事の見出し画像

100年を超える歴史を持つ会社には、たくさんの物語があります。でも、誰かが言葉にしなければ、これまでの挑戦も、失敗も、働く人の想いも、会社の中に埋もれてしまう。だからこそ株式会社KOBIRAは、歴史を年表として保存するだけでなく、今を生きる社員が読み直し、自分たちなりの意味を見つけ、次の人へ伝えようとしています。

100年続いたことを誇るだけではなく、これからの100年に必要とされる会社であろうとする。これからの更なる活躍が楽しみです。

読み終えて、もう一度。

ここまで読んで、最初に感じた3つのLOVEDをもう一度。

  1. 100年続いた事業を守るのではなく、地域に必要な役割を守るために事業を変え続けている
  2. 老舗という歴史に安住せず、「第四創業期」として理念から組織の仕組みまでつくり直している
  3. 地域に根ざすことと世界へ挑戦することを分けず、地域と世界を行き来する事業を育てている

ラブカンでは、日本全国にある「愛される会社」やLovedな取り組みを紹介していきます。たくさんのLoved Companyとの出会いが、あなたの価値観を少し広げ、自分のものさしで生きるきっかけのひとつになれば嬉しいです。

「この会社、面白い」

「この働き方、もっと知られてほしい」

「うちの会社にも導入したい!」

そんな事例があれば、ぜひ教えてください。

参照サイト

この会社のことを、誰かに。