働く動機は、「面白がれているか」。カヤックがつくる仕事と組織
みなさんこんにちは、ラブカン編集部の齊間です。ラブカンは、日本全国のLoved Companyを紹介するメディアです。
会社の思想や文化、働く人の想い、事業に込められた背景を通して、条件だけでは見つからない「愛される会社」を紹介していきます。
今回取り上げるのは、神奈川県鎌倉市に本社を置く、面白法人カヤック、株式会社カヤックです。
ラブカン編集部が感じたLOVEDポイント
- 「面白がれているか」を、社員を管理する指標ではなく、自分自身を見つめるための問いにしている
- 効率のよい方法があると理解したうえで、自分たちらしい組織のあり方を選び続けている
- 掲げた理念を言葉だけで終わらせず、制度や対話の場にまで一貫して反映している
「面白がってはたらく」を、会社が本気で扱っている
「面白がってはたらく」
カヤックが大切にしているこの言葉を見たとき、最初は「面白法人」らしいユニークなコピーを打ち出しているのだと思っていました。
しかし、カヤックはこの言葉を単なるスローガンではなく、会社の中に実装していることでした。
例えば、社員が半年に一度、「360度オープンフルフィードバック」という自分の活動を振り返った上で、一緒に働いている社員から自分の活動についてフィードバックをもらう制度があります。この設問の中に、自分の仕事をどれくらい面白がれているかを申告する「面白指数」という指標があります。
すべての仕事が、いつも楽しいわけではありません。思うように成果が出ないときもあれば、目の前の業務に意味を見いだせなくなることもあります。
それでもカヤックは、「自分は今、この仕事を面白がれているか」という問いを手放していません。
会社から与えられた仕事が面白いかどうかではなく、自分はその仕事にどう関わっているのか。社員を受け身の存在にせず、自分なりの面白さを見つけられる人として見ている。その姿勢に惹かれました。
点数をつけるのに、評価には使わない
「360度オープンフルフィードバック」や「面白指数」は、人事評価や給与、昇進に直接反映されるのではなく、社員の自己理解や内省を促すための指標として設計されています。
数字を集めるのに、会社が社員を評価する材料には使わない。この距離感が、私はとても好きです。
評価に結びつけば、社員は無意識のうちに高い点数をつけたり、自分がやってきた活動を自己PRのようにして面白がっている自分を演じたりするかもしれません。しかし、「360度オープンフルフィードバック」「が向き合っているのは、他人からどう見られるかではなく、自分が今の仕事をどう感じているかです。
大切なのは、点数の高さ自己PRではありません。なぜ今、面白く働けているのか。以前より点数が下がったのはなぜか。どんな仕事や関係性が、自分の気持ちを動かしているのか。
「面白指数」は、会社が社員の感情を管理するためのものではなく、社員自身が働く動機を見失わないための問いなのだと思います。
自分の内側にあるものは、忙しい日々のなかで後回しにされがちです。だからこそ、会社が定期的に立ち止まるきっかけを用意していることに、社員への信頼を感じました。
効率が悪いと分かっていても、簡単な方法を選ばない
カヤックでは、報酬や評価といった外側から与えられる動機よりも、社員自身の「やってみたい」「面白い」という内発的な動機を重視しています。
ルールを細かく決め、報酬や評価によって行動を促すほうが、組織を動かしやすい場面もあるはず。それでもカヤックは、社員一人ひとりが自分で考え、動く方法を選んでいます。
この「効率が悪いと分かったうえで選んでいる」という部分に、私はカヤックの本気を感じました。
非効率であること自体に価値があるわけではありません。より簡単な方法を理解しながらも、自分たちがどんな会社でありたいかを優先していることが重要なのだと思います。
社員の内発的な動機を大切にするなら、時間がかかります。意思決定が複雑になることも、きっとある。それでも、その手間を省かない。
「面白がってはたらく」を、都合のいいスローガンではなく、組織として引き受けている。その覚悟が、カヤックらしさなのだと感じます。
理念を、日々の仕組みに変えている
カヤックには、「360度フルオープンフィードバック」や「面白指数」以外にも、独自の給与システムや対話の場があります。
カヤックの代名詞ともいえる「サイコロ給」」は、通常は他人や上司の評価で決まる給与ですら、評価を気にせず面白く働こうという想いを込めて、サイコロ(自分の運)に賞与の一部を決めてもらう給与システムですj。また、社員全員で社長になったつもりで一日中ブレストをする「ぜんいん社長合宿」など、役職に関係なく会社の未来について話す場も設けられています。
「360度フルオープンフィードバック」と「面白指数」では、自分の働く動機を振り、周囲はもっとその人が面白く働くためのフィードバックをする。「サイコロ給」では毎月、評価に一喜一憂するなという想いを感じ、「ぜんいん社長合宿」では、会社の未来を経営陣だけに任せず、自分たちのこととして考える。
それぞれの仕組みが、「面白がってはたらく」という一つの考え方でつながっています。
理念を掲げるだけでなく、社員が日常の中でその意味に触れられるように、制度や対話の場へ落とし込む。言葉と実際の組織運営を一致させようとする姿勢に、カヤックの誠実さを感じました。
「面白さ」を測ることは、自分の働く理由を問い直すこと
「面白指数」と聞くと、少し変わった会社の、少し変わった指標に見えます。けれど、その奥にあるのは「自分はこの仕事を面白がってしているのか」という、とても本質的な問いでした。
目の前の仕事に、自分なりの意味を見つけられているか。誰かに言われたからではなく、自分の意思で関われているか。カヤックは、社員の内側にある動機を無視しません。
会社が仕事を面白くしてくれるのを待つのではなく、社員自身も面白がる方法を考える。そして会社は、その問いに向き合える環境をつくっているのです。
読み終えて、もう一度。
ここまで読んで、最初に感じた3つのLOVEDをもう一度。
- 「面白がれているか」を、社員を管理する指標ではなく、自分自身を見つめるための問いにしている
- 効率のよい方法があると理解したうえで、自分たちらしい組織のあり方を選び続けている
- 掲げた理念を言葉だけで終わらせず、制度や対話の場にまで一貫して反映している
ラブカンでは、日本全国にある「愛される会社」やLovedな取り組みを紹介していきます。たくさんのLoved Companyとの出会いが、あなたの価値観を少し広げ、自分のものさしで生きるきっかけのひとつになれば嬉しいです。
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