社員が辞めることを、会社の成功として喜ぶ人たちがいる
みなさんこんにちは、ラブカン編集部の齊間です。ラブカンは、日本全国のLoved Companyを紹介するメディアです。
会社の思想や文化、働く人の想い、事業に込められた背景を通して、条件だけでは見つからない「愛される会社」を紹介していきます。
今回取り上げるのは、東京に拠点を置きながら、全国各地の地域で共同創業する、株式会社NEWLOCALです。
ラブカン編集部が感じたLOVEDポイント
- 社員の「巣立ち」を、会社のミッション実現の一部として位置づけている
- 「辞めたことを後悔させたい」という言葉の奥に、会社を良くし続けようとする本気の姿勢がある
- 会社を離れても「同じチーム」として関係が続いていく、緩やかな仲間の輪をつくっている
社員の退職を『卒業』と呼ぶ会社
社員が会社を辞めるとき、多くの会社はそのことをあまり語りたがりません。円満退社という言葉で片づけるか、静かに人が減っていくか。理由や背景まで語られることは、あまりないように思います。
でもNEWLOCALは違いました。社員が会社を辞めて起業する。その出来事を、わざわざ対談記事として社外に公開していたのです。記事の中で使われていたのは、「退職」ではなく「卒業」という言葉でした。
なぜ、社員が辞めることを前向きに捉えられるのか。調べていくと、それはNEWLOCALが目指していることと深く関係していました。
地域でチャレンジする人を増やすという、もうひとつの目標
NEWLOCALは、人口減少に直面する全国各地で、不動産開発を軸に、地域のリーダーと共同で会社を立ち上げ、育てた会社を地域に還すことを事業にしています。長野県野沢温泉、秋田県男鹿、京都府丹後など、複数の地域で事業を展開しています。
同社が掲げているのは、地域に新しい事業をつくることだけではありません。創業当初から、「地域でチャレンジする人を増やすこと」、そして「人・お金・知恵の循環を地域につくること」を、会社の目的そのものとして掲げています。
この目的に立ち戻ると、社員が独立して地域で起業することは、会社にとって想定外の出来事ではないはずです。むしろ、目的が実現した一つの形だと捉えることができるのではないでしょうか。
チェックリストが、最後の一つまで埋まったとき
今回、卒業という決断をした社員は、社員第1号として3年間、複数の地域の立ち上げに携わってきた人物です。この社員は入社する前から、起業に必要な要素をリスト化しており、それを一つずつ確認しながら独立のタイミングを見極めていました。
最後まで残っていた項目は、資金調達の見通しでした。地域での事業立ち上げと、必要な融資のめどが立ったタイミングで、独立を決めています。
私はここに、NEWLOCALらしい、地に足のついた姿勢を感じました。地域への想いだけで独立を後押しするのではなく、事業として成立する見通しが立つまで、じっくり時間をかけて機会を待つ。そうした現実的な感覚が、社員の間でも共有されているように思います。
辞めた人を、あえて後悔させたいと語る理由
代表の石田遼さんは、この退社について「辞めたことを後悔させたい」と語っています。少し意地悪にも聞こえる言葉ですが、真意は違うところにあるように感じました。
石田さんいわく、「NEWLOCALにいたことを誇れるような会社に、これからもっと良くしていきたい」とのこと。辞めた人への対抗心ではなく、会社自身を成長させ続けるという宣言として、この言葉を使っているのではないかと思います。
会社を離れた人を引き止めるのではなく、離れた後も「あの会社にいたことは誇りだ」と思わせられるかどうかで、会社の実力を測ろうとする。会社を離れた後まで誇りに思ってもらえるか。そこに、その会社の本当の価値が表れるのかもしれません。
会社を離れても、同じチームでいるという関係
NEWLOCALにとって、会社という枠組みは、思っている以上に緩やかなもののようです。同社では、卒業した人やパートナー企業の関係者を含めて、地域でチャレンジする仲間という、会社よりも広い単位でつながりを捉えています。
読み終えて、もう一度。
ここまで読んで、最初に感じた3つのLOVEDをもう一度。
- 社員の「巣立ち」を、会社のミッション実現の一部として位置づけている
- 「辞めたことを後悔させたい」という言葉の奥に、会社を良くし続けようとする本気の姿勢がある
- 会社を離れても「同じチーム」として関係が続いていく、緩やかな仲間の輪をつくっている
ラブカンでは、今後も全国にあるLoved Companyな会社や取り組みを紹介していきます。たくさんのLoved Companyとの出会いが、あなたの価値観を少し広げ、自分のものさしで生きるきっかけのひとつになれば嬉しいです。
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