電気の向こうに、つくった人の顔が見える。
みなさんこんにちは、ラブカン編集長の陣脇です。ラブカンは、日本全国のLoved Companyを紹介するメディアです。
会社の思想や文化、働く人の想い、事業に込められた背景を通して、条件だけでは見つからない「愛される会社」を紹介していきます。
今回取り上げるのは、「みんな電力」「みんなワークス」「TADORi」などの事業を展開する株式会社UPDATERです。
ラブカン編集部が感じたLOVEDポイント
- 見えないことを便利さの代償にせず、誰を応援するのか選べる状態を生活者へ返している
- 社会課題を我慢や善意だけに委ねず、面白く、儲かり、続いていく事業へ変えようとしている
- 一つの正解へ社員を揃えるのではなく、それぞれの「我が道」を社会を動かす力にしている
コンセントの向こう側に、誰かがいる
毎日使っている電気が、どこで、誰によってつくられたものなのか。
多くの人は、それを知らないまま暮らしています。スイッチを押せば電気がつく。その便利さの裏側にある発電所や地域、生産者の存在は、生活者からはほとんど見えません。
「みんな電力」が提供するのは、全国の再生可能エネルギー発電所とつながり、電気をつくる人の顔や想いを知ることができる「顔の見える電力」です。独自の技術によって、発電量と利用者の需要量をマッチングし、どの発電所の電気を使ったのかを示してきました。
電気は、品質だけを見れば、どこから買っても同じように見えます。けれど、その向こうにいる人を知れば、選ぶ理由が生まれます。料金や機能だけではなく、「この人たちを応援したい」という気持ちまで、買い物の判断軸になるのです。
社会課題に関心を持つことを求める前に、まず関心を持てる関係をつくる。つくる人と使う人の接点を取り戻しているところが気持ちの良いサービスだなと感じました。
「正しいから買って」を、選ばなかった
再生可能エネルギーや児童労働、貧困といった社会課題は、ときに重く、遠い話に感じられます。
正しい選択だと分かっていても、高そう、難しそう、我慢が必要そうだなとなかなか日々の暮らしには取り入れづらい、、、。
UPDATERが掲げる行動指針は、「面白くて儲かることをしよう」。同社には、明文化されたミッションもビジョンもなく、この一つの言葉を軸に、自由な発想で社会課題の解決方法を探しています。
善意だけに頼る活動は、続ける人が疲れてしまう。反対に、事業として利益が生まれれば、参加する人を増やし、仕組みを広げられます。
社会に良いから我慢して選ぶのではなく、面白く、便利で、得もする。その結果として社会まで少し良くなる。
正しさを押しつけるのではなく、人が自然に参加したくなる形へ変換していく。その現実的な姿勢こそが、UPDATERの強さなのだと感じます。
電力会社のままでは、解けない問題があった
2021年、みんな電力株式会社は、株式会社UPDATERへ社名を変更しました。
電力だけでなく、空気や商品の生産背景などにも「顔の見える」という考え方を広げ、あらゆる社会課題に向き合う会社へ進むための決断でした。
同社は、「電力会社として何を広げるか」ではなく、「社会をアップデートするために、次は何を見えるようにするか」へ問いを広げました。
電気の生産者が見えない。商品の原料や労働環境が分からない。職場の空気が安全か判断できない。分野は違っても、根にあるのは、情報が見えないことで、生活者が納得して選べなくなっているという問題です。
事業を一つに絞らないのは、成長分野へ無秩序に手を広げているからではありません。
社会のブラックボックスを減らし、選択する力を生活者へ返す。その役割を広げるために、会社の名前まで手放したのだと思います。
会社が進む道を、一つに決めない
社会課題に挑む会社には、同じ問題意識を持ち、同じ方向を向く人が集まるイメージがあります。
けれどUPDATERが掲げているのは、「我が道で面白く、社会課題に挑む集団」。社員一人ひとりが自立し、それぞれの個性を認め合いながら、自分なりの方法で社会を変えることを大切にしています。
電力の専門家だけではなく、IT、金融、アパレル、人材、芸能など、異なる背景を持つ人が集まり、それぞれの経験から新しい解き方を持ち込む。会社の正解に社員を近づけるのではなく、一人ひとりの我が道を、社会を動かす力に変える。
「みんな」という言葉を、全員を同じにするためではなく、違う人たちの力を結集するために使っている点が粋だなと思います。
選択を変える人を、増やしていく
UPDATERが着目しているのは、一人ひとりの選択です。
電気をどこから買うか。何を着るか。どのような環境で働くか。商品の背景を知ったうえで、何を応援するか。
日本中の個人や企業が年に一度でも選択を変えれば、気候変動や貧困、生物多様性、人々の幸せを前進させられるという考えです。
普段の買い物や仕事の中で、納得できる方を選ぶ。その小さな行動が、つくる人へ届き、別の選択肢が残っていく。
UPDATERが提供しているのは、正しい答えそのものではありません。見えなかった背景を見えるようにし、「自分はどちらを選びたいか」と考えられる状態をつくることです。
人の行動を正しさで管理するのではなく、選択する力を信じているのだと思います。
読み終えて、もう一度。
ここまで読んで、最初に感じた3つのLOVEDをもう一度。
- 見えないことを便利さの代償にせず、誰を応援するのか選べる状態を生活者へ返している
- 社会課題を我慢や善意だけに委ねず、面白く、儲かり、続いていく事業へ変えようとしている
- 一つの正解へ社員を揃えるのではなく、それぞれの「我が道」を社会を動かす力にしている
ラブカンでは、日本全国にある「愛される会社」やLovedな取り組みを紹介していきます。たくさんのLoved Companyとの出会いが、あなたの価値観を少し広げ、自分のものさしで生きるきっかけのひとつになれば嬉しいです。
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